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 『若菜上(明融臨模本)

 とのたまふ。やがて見出だして、端近くおはします。白き御衣どもを着たまひて、花をまさぐりたまひつつ、「友待つ雪」のほのかに残れる上に、うち散り添ふ空を眺めたまへり。鴬の若やかに、近き紅梅の末にうち鳴きなるを、
 「袖こそ匂へ」
 と花をひき隠して、御簾押し上げて眺めたまへるさま、夢にも、かかる人の親にて、重き位と見えたまはず、若うなまめかしき御さまなり。

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  第六章 光る源氏の物語 女三の宮の六条院降嫁  [第七段 源氏、女三の宮と和歌を贈答]

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