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 『澪標(大島本)

 第一章 光る源氏の物語 光る源氏の政界領導と御世替わり
 [第一段 故桐壺院の追善法華御八講]
 さやかに見えたまひし夢の後は、院の帝の御ことを心にかけきこえたまひて、「いかで、かの沈みたまふらむ罪、救ひたてまつることをせむ」と、思し嘆きけるを、かく帰りたまひては、その御急ぎしたまふ。神無月に御八講したまふ。世の人なびき仕うまつること、昔のやうなり。

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