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 『柏木(尊経閣文庫本)

 深き過ちもなきに、見合はせたてまつりし夕べのほどより、やがてかき乱り、惑ひそめにし魂の、身にも返らずなりにしを、かの院のうちにあくがれありかば、結びとどめたまへよ」
 など、いと弱げに、殻のやうなるさまして、泣きみ笑ひみ語らひたまふ。
 [第四段 女三の宮の返歌を見る]

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  第一章 柏木の物語 女三の宮、薫を出産  [第三段 柏木、侍従を招いて語る]

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