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 『宿木(大島本)

 形見など、かう思しのたまふめるは、なかなか何事も、あさましくもて離れたりとなむ、見る人びとも言ひはべりしを、いとさしもあるまじき人の、いかでかは、さはありけむ」
 とのたまふを、語りか、とまで聞く。
 「さるべきゆゑあればこそは、さやうにも睦びきこえらるらめ。などか今まで、かくもかすめさせたまはざらむ」

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  第六章 薫の物語 中君から異母妹の浮舟の存在を聞く  [第四段 中君、異母妹の浮舟を語る]

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