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 『明石(大島本)

 とて、立ち去りたまひぬ。
 飽かず悲しくて、「御供に参りなむ」と泣き入りたまひて、見上げたまへれば、人もなく、月の顔のみきらきらとして、の心地もせず、御けはひ止まれる心地して、空の雲あはれにたなびけり。

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  第一章 光る源氏の物語 須磨の嵐と神の導きの物語  [第三段 嵐収まる]

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