検索結果詳細
『総角(大島本)』
昼寝の君、風のいと荒きに驚かされて起き上がりたまへり。山吹、薄色などはなやかなる色あひに、御顔はことさらに染め匂はしたらむやうに、いとをかしくはなばなとして、いささかもの思ふべきさまもしたまへらず。
「故宮の夢に見えたまへる、いともの思したるけしきにて、このわたりにこそ、ほのめきたまひつれ」
と語りたまへば、いとどしく悲しさ添ひて、
495/678
496/678
497/678
第六章 大君の物語 大君の病気と薫の看護
[第三段 中の君、昼寝の夢から覚める]
[Index]