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『総角(大島本)』
「むなしくなりなむ後の思ひ出でにも、心ごはく、思ひ隈なからじ」とつつみたまひて、はしたなくもえおし放ちたまはず。夜もすがら、人をそそのかして、御湯など参らせたてまつりたまへど、つゆばかり参るけしきもなし。「いみじのわざや。いかにしてかは、かけとどむべき」と、言はむかたなく思ひゐたまへり。
[第七段 阿闍梨、八の宮の夢を語る]
不断経の、暁方のゐ替はりたる声のいと尊きに、阿闍梨も夜居にさぶらひて眠りたる、うちおどろきて陀羅尼読む。老いかれにたれど、いと功づきて頼もしう聞こゆ。
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第六章 大君の物語 大君の病気と薫の看護
[第七段 阿闍梨、八の宮の夢を語る]
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