検索結果詳細


 『浮舟(明融臨模本)

 それが婿の右近大夫といふ者を元として、よろづのことをおきて仰せられたるななり。よき人の御仲どちは、情けなきことし出でよ、と思さずとも、ものの心得ぬ田舎人どもの、宿直人にて替り替りさぶらへば、おのが番に当りて、いささかなることもあらせじなど、過ちもしはべりなむ。
 ありし夜の御ありきは、いとこそむくつけく思うたまへられしか。宮は、わりなくつつませたまふとて、御供の人も率ておはしまさず、やつれてのみおはしますを、さる者の見つけたてまつりたらむは、いといみじくなむ」

 548/657 549/657 550/657

  第六章 浮舟と薫の物語 浮舟、右近の姉の悲話から死を願う  [第七段 浮舟、右近の姉の悲話から死を願う]

  [Index]