検索結果詳細
『若菜上(明融臨模本)』
「古代のひが言どもや、はべりつらむ。よく、この世のほかなるやうなるひがおぼえどもにとり混ぜつつ、あやしき昔のことどもも出でまうで来つらむはや。夢の心地こそしはべれ」
と、うちほほ笑みて見たてまつりたまへば、いとなまめかしくきよらにて、例よりもいたくしづまり、もの思したるさまに見えたまふ。わが子ともおぼえたまはず、かたじけなきに、
579/887
580/887
581/887
第十章 明石の物語 男御子誕生
[第三段 明石御方、母尼君をたしなめる]
[Index]