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 『宿木(大島本)

 故六条の院の御手づから書きたまひて、入道の宮にたてまつらせたまひし琴の譜二巻、五葉の枝に付けたるを、大臣取りたまひて奏したまふ。
 次々に、箏の御琴、琵琶、和琴など、朱雀院の物どもなりけり。笛は、かのに伝へしいにしへの形見のを、「またなき物の音なり」と賞でさせたまひければ、「この折のきよらより、またはいつかは映え映えしきついでのあらむ」と思して、取う出でたまへるなめり。

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  第八章 薫の物語 女二の宮、薫の三条宮邸に降嫁  [第六段 藤壺にて藤の花の宴催される]

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