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 『夕霧(大島本)

 なまけやけしとは見たまへど、もののあはれなるほどのつれづれに、「かれもいとただにはおぼえじ」と思す片心ぞ、つきにける。
 「人の世の憂きをあはれと見しかども
  身にかへむとは思はざりしを」

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  第七章 雲居雁の物語 夕霧の妻たちの物語  [第四段 藤典侍、雲居雁を慰める]

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