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 『若菜上(明融臨模本)

 わがおもと生まれたまはむとせし、その年の二月のその夜の夢に見しやう、
 『みづから須弥の山を、右の手に捧げたり。山の左右より、月日の光さやかにさし出でて世を照らす。みづからは山の下の蔭に隠れて、その光にあたらず。山をば広き海に浮かべおきて、小さき舟に乗りて、西の方をさして漕ぎゆく』

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  第十一章 明石の物語 入道の手紙  [第二段 入道の手紙]

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