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 『若菜上(明融臨模本)

 とて、月日書きたり。
 [第三段 手紙の追伸]
 「命終らむ月日も、さらにな知ろしめしそ。いにしへより人の染めおきける藤衣にも、何かやつれたまふ。ただわが身は変化のものと思しなして、老法師のためには功徳をつくりたまへ。この世の楽しみに添へても、後の世を忘れたまふな。

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  第十一章 明石の物語 入道の手紙  [第三段 手紙の追伸]

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