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 『総角(大島本)

 かくつれなきものから、内裏わたりにも聞こし召して、いと悪しかるべきに思しわびて、今日は帰らせたまひぬ。おろかならず言の葉を尽くしたまへど、つれなきは苦しきものをと、一節を思し知らせまほしくて、心とけずなりぬ。
 [第七段 歳暮に薫、宇治から帰京]
 年暮れ方には、かからぬ所だに、空のけしき例には似ぬを、荒れぬ日なく降り積む雪に、うち眺めつつ明かし暮らしたまふ心地、尽きせず夢のやうなり。

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  第七章 大君の物語 大君の死と薫の悲嘆  [第七段 歳暮に薫、宇治から帰京]

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