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『御法(大島本)』
とて、御几帳引き寄せて臥したまへるさまの、常よりもいと頼もしげなく見えたまへば、
「いかに思さるるにか」
とて、宮は、御手をとらへたてまつりて、泣く泣く見たてまつりたまふに、まことに消えゆく露の心地して、限りに見えたまへば、御誦経の使ひども、数も知らず立ち騷ぎたり。先ざきも、かくて生き出でたまふ折にならひたまひて、御もののけと疑ひたまひて、夜一夜さまざまのことをし尽くさせたまへど、かひもなく、明け果つるほどに消え果てたまひぬ。
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第二章 紫の上の物語 紫の上の死と葬儀
[第二段 明石中宮に看取られ紫の上、死去す]
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