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 『早蕨(大島本)

 阿闍梨のもとより、
 「年改まりては、何ごとかおはしますらむ。御祈りは、たゆみなく仕うまつりはべり。今は、一所の御ことをなむ、安からず念じきこえさする」
 など聞こえて、蕨、つくづくし、をかしき籠に入れて、「これは、童べの供養じてはべる初穂なり」とて、たてまつれり。手は、いと悪しうて、歌は、わざとがましくひき放ちてぞ書きたる。

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  第一章 中君の物語 匂宮との結婚を前にした宇治での生活  [第一段 宇治の新春、山の阿闍梨から山草が届く]

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