検索結果詳細


 『若紫(大島本)

 「うちつけなる御語りにぞはべるなる。尋ねさせたまひても、御心劣りせさせたまひぬべし。故按察使大納言は、世になくて久しくなりはべりぬれば、えしろしめさじかし。その北の方なむ、なにがしが妹にはべる。かの按察使かくれて後、世を背きてはべるが、このころ、わづらふことはべるにより、かく京にもまかでねば、頼もし所に籠もりてものしはべるなり」と聞こえたまふ。

 84/421 85/421 86/421

  第一章 紫上の物語 若紫の君登場、三月晦日から初夏四月までの物語  [第四段 若紫の君の素性を聞く]

  [Index]