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 『御法(大島本)

 「あなかま、しばし」
 と、しづめ顔にて、御几帳の帷を、もののたまふ紛れに、引き上げて見たまへば、ほのぼのと明けゆく光もおぼつかなければ、大殿油を近くかかげて見たてまつりたまふに、飽かずうつくしげに、めでたうきよらに見ゆる御顔のあたらしさに、この君のかくのぞきたまふを見る見るも、あながちに隠さむの御心も思されぬなめり。

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  第二章 紫の上の物語 紫の上の死と葬儀  [第四段 夕霧、紫の上の死に顔を見る]

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