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 『藤裏葉(大島本)

 と責めたまふ。中将は、心のうちに、「ねたのわざや」と思ふところあれど、人ざまの思ふさまにめでたきに、「かうもあり果てなむ」と、心寄せわたることなれば、うしろやすく導きつ。
 男君は、かとおぼえたまふにも、わが身いとどいつかしうぞおぼえたまひけむかし。女は、いと恥づかしと思ひしみてものしたまふも、ねびまされる御ありさま、いとど飽かぬところなくめやすし。

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  第一章 夕霧の物語 雲居雁との筒井筒の恋実る  [第六段 夕霧、雲居雁の部屋を訪う]

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