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 『橋姫(明融臨模本)

 などのたまひて、かたみに御消息通ひ、みづからも参うでたまふ。
 [第四段 薫、八の宮と親交を結ぶ]
 げに、聞きしよりもあはれに、住まひたまへるさまよりはじめて、いと仮なる草の庵に、思ひなし、ことそぎたり。同じき山里といへど、さる方にて心とまりぬべく、のどやかなるもあるを、いと荒ましき水の音、波の響きに、もの忘れうちし、夜など、心解けて夢をだに見るべきほどもなげに、すごく吹き払ひたり。

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  第二章 宇治八の宮の物語 薫、八の宮と親交を結ぶ  [第四段 薫、八の宮と親交を結ぶ]

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