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 『紅葉賀(大島本)

 春宮の女御、かくめでたきにつけても、ただならず思して、「神など、空にめでつべき容貌かな。うたてゆゆし」とのたまふを、若き女房などは、心憂しと耳とどめけり。藤壺は、「おほけなき心のなからましかば、ましてめでたく見えまし」と思すに、夢の心地なむしたまひける。
 宮は、やがて御宿直なりけり。
 「今日の試楽は、青海波に事みな尽きぬな。いかが見たまひつる」

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  第一章 藤壺の物語 源氏、藤壺の御前で青海波を舞う  [第一段 御前の試楽]

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