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 『御法(大島本)

 十四日に亡せたまひて、これは十五日の暁なりけり。日はいとはなやかにさし上がりて、野辺の露も隠れたる隈なくて、世の中思し続くるに、いとど厭はしくいみじければ、「後るとても、幾世かは経べき。かかる悲しさの紛れに、昔よりの御本意も遂げてまほしく」思ほせど、心弱き後のそしりを思せば、「このほどを過ぐさむ」としたまふに、胸のせきあぐるぞ堪へがたかりける。
 第三章 光る源氏の物語 源氏の悲嘆と弔問客たち
 [第一段 源氏の悲嘆と弔問客]

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  第三章 光る源氏の物語 源氏の悲嘆と弔問客たち

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