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 『紫式部日記(黒川本)

 近衛司、いとつきづきしき姿して、御輿のことどもおこなふ、いときらきらし。藤中将、御佩刀などとりて、内侍に伝ふ。
 【五 行幸当日の女房たちの装束】
 御簾の中を見わたせば、色聴されたる人びとは、例の青色、赤色の唐衣に地摺の裳、上着は、おしわたして蘇芳の織物なり。ただ馬の中将ぞ葡萄染めを着てはべりし。打物どもは、濃き薄き紅葉をこきまぜたるやうにて、中なる衣ども、例のくちなしの濃き薄き、紫苑色、うら青き菊を、もしは三重など、心々なり。

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  第一部 敦成親王誕生記  第二章 寛弘五年(一〇〇八)冬の記  【五 行幸当日の女房たちの装束】

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