鏡花作品の語彙検索(KWIC)

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『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫

      「いや、……崖下のあの谷には、魔窟があると言う。……その種々《いろいろ》 :133/143


『逢ふ夜』 従吾所好

                  「お邪魔をしますね。」              :41/97


『絵本の春』 青空文庫

          不気味に凄《すご》い、魔の小路だというのに、婦《おんな》が一人で :30/84
》に周易の看板を出している、小母さんが既に魔に近い。婦《おんな》でト筮《うらない》を :31/84
                   この魔のような小母さんが、出口に控えているから :32/84
うのを聞かずに、夢中になって、余り凝るから魔が魅《さ》した。ある事だ。……枝の形、草 :42/84
   と言った。小母さんは、そのおばけを、魔を、鬼を、――ああ、悪戯をするよ、と独言 :61/84
つつ》ながら不思議に思う。昼は見えない。逢魔《おうま》が時からは朧《おぼろ》にもあら :63/84


『縁結び』 青空文庫

き》と存じまして、お宿へ、飛《とん》だお邪魔《じゃま》をいたしましてございますの。」 :107/405
ばかり。父親《おやじ》が店から声をかけて、魔物が騒ぐんだ、恐《こわ》いぞ、と云うから :161/405


『古狢』 青空文庫

              「あの煙突が邪魔だな。」                 :30/310
、その姉さんだったと言いましてね。むかし、魔法を使うように、よく祈りのきいた、美しい :74/310
                     魔は――鬼神は――あると見える。      :285/310
堂《はなみどう》に詣《もう》でた。寺内に閻魔堂《えんまどう》がある。遠藤さんが扉を覗 :288/310
            「お釈迦様と、お閻魔さんとは、どういう関係があるんでしょう。 :289/310


『義血侠血』 青空文庫

ろ慄きたるなり。渠は色を変えて、この美しき魔性のものを睨《ね》めたりけり。さきに半円 :318/706
柳腰の人、そもそもなんじは狐狸か、変化か、魔性か。おそらくは〓脂《えんし》の怪物なる :318/706
脂《えんし》の怪物なるべし。またこれ一種の魔性たる馭者だも驚きかつ慄けり。      :318/706


『五大力』 従吾所好

か、何か突当りさうに、むら/\と濡曇つて、魔ものの如く虚空を遮る。……時雨に鐘があら :244/1139
鼾を掻く。其の響きで、茶碗に投げた竹箸が、魔の魅〈さ〉した狐狗狸と云ふ形で、ひよいひ :686/1139
。……霞は、あはれ、貴〈あで〉に艶なる数の魔に弄ばるゝ趣見えて、あせり狂ふ身は袖二ツ :1092/1139


『半島一奇抄』 青空文庫

を視《なが》めますと、本で見ました、仙境、魔界といった工合《ぐあい》で……どんなか、 :19/129
旦那、と植木屋は一斉に礼をする。ちょっと邪魔をしますよ。で、折れかかった板橋を跨《ま :60/129


『蛇くひ』 青空文庫

しか》れども此の白昼横行《わうぎやう》の悪魔は、四時《しじ》恒に在る者にはあらず。或 :15/35


『活人形』 鏡花とアンティークと古書の小径

。家邸も何かせむ、皆得三に投与へて、斯る悪魔の火宅を遁れ、片田舎にて気散じに住み給ふ :22/219
巌丈男の声ばかり悪優しく。「へい/\、お邪魔様申します。些《ちと》お見舞に罷出《つん :28/219
だ。「余り陰気な談《はなし》をしますと是非魔が魅《さ》すといひますから。と逡巡《しり :47/219
凄く、人の顔のみやう/\仄《ほの》めさ、逢魔が時とぞなりにける。亭主は愈々心臆し、団 :48/219
だ。爰《こゝ》に置いた煙管が見えぬ。あれ、魔隠《まがくし》、気味の悪い。と尚其処此処 :49/219
ざるかと、懐中鏡を取出せば、きらりと輝く照魔鏡に怪しき人影映りけるにぞ、はつと鏡を取 :61/219
堅固な牢の内へぶちこんであるものを、まさか魔術を使ひはしめえし、戸外《おもて》へ脱け :69/219
苛立ちて、「汝《うぬ》、渋太《しぶと》い阿魔だな。といひさまお藤の手を捉ふれば、「あ :112/219
え。「喧しいやい。と白き頸を鷲掴み、「此阿魔、生意気に人好《ひとごのみ》をしやあがる :112/219
                  今は悪魔ばかりの舞台となりぬ。磨《と》ぎ清《すま :158/219
     夜は正に三更万藾死して、天地は悪魔の独有たり。               :178/219
を得三に見出されて、さてこそ斯《かく》は悪魔の手に斬殺されむとするものなれ。     :192/219
、白刃乳の下に臨める刹那、幸にして天地は悪魔の所有《もの》に非ず。          :215/219


『海神別荘』 華・成田屋

私の身体(からだ)も、皆(みんな)、貴方の魔法です。                 :333/369
思うのは、人間の目だと云うのに。俺の・・・魔・・・法。許さんぞ。女、悲しむものは殺す :334/369


『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫

れて、人影も見えず、これなりに、やがて、逢魔《おうま》が時になろうとする。      :6/257
――仔細《しさい》は、魚が重くて上らない。魔ものが圧《おさ》えるかと、丸太で空《くう :51/257
ゃありません? 悚然《ぞっ》とする。あれが魔法で、私たちは、誘い込まれたんじゃないん :212/257


『高野聖』 泉鏡花を読む

お通しなすつて下さりまし、成たけお午睡の邪魔になりませぬやうに密と通行いたしまする。 :127/622
、世話らしい打解けた風は頓に失せて、神か、魔かと思はれる。              :428/622
いうてくれるし、まだ/\其ばかりでは自分に魔が魅したやうぢやけれども、こゝに我身で我 :554/622
、これも私には何かの縁があつた、あの恐しい魔処へ入らうといふ岐道の水が溢れた往来で、 :580/622
や軈て、此の鯉を料理して、大胡座で飲む時の魔神の姿が見せたいな。           :618/622


『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

      三浦の大崩壊《おおくずれ》を、魔所だという。               :13/1510
          そんなこんなで、其処が魔所だの風説は、近頃一層甚しくなって、知ら :23/1510
                   実際魔所でなくとも、大崩壊《おおくずれ》の絶頂 :24/1510
飜然々々《ひらりひらり》と乗りましたのは、魔がさしたのでござりましたよ。」      :148/1510
歩行《ある》き。好い心持に眠気がさすと、邪魔な灯《あかり》を肱にかけて、腕を鍵形《か :177/1510
     (ああ、お前はもう可いから。)邪魔もののようにおっしゃったで、爺どのは心外 :231/1510
                 (そりゃ魔が魅《さ》すぞ!)            :344/1510
っているけに、衣ものの縞柄も気の所為か、逢魔が時に茫として、庄屋様の白壁に映して見て :348/1510
        おなじように、憑物がして、魔に使われているようで、手もつけられず、親 :349/1510
入れて話をする――聞く――していたので、邪魔になっては、という遠慮か、四、五人此方《 :430/1510
               大層お店の邪魔をしました、実に済まぬ。」        :433/1510
          それもそうか、いよいよ魔隠しに隠したものなら、山だか川だか、知れ :745/1510
茲でお茶という処だけれど、茶じゃ理に落ちて魔物が憑《つ》け込む。酔醒にいいもの、と縁 :794/1510
しい白粉の花の中を、これへ。お縁側からお邪魔をいたしました。             :885/1510
矢も楯も堪らず逢いたくなって来たんですが、魔にとられたと言うんですもの。高峰《たかね :994/1510
                南無三宝、魔物の唾《つば》じゃ。           :1243/1510
、この森を峠にして、こんな晩、中空を越す通魔《とおりま》が、魔王に、礑《はた》と捧ぐ :1268/1510
、こんな晩、中空を越す通魔《とおりま》が、魔王に、礑《はた》と捧ぐる、関所の通証券《 :1268/1510
              「おお、悪……魔、人間を呪うものか。」          :1323/1510
懐、君その素志を他に求めて、疾くこの恐しき魔所を遁れられよ。)            :1365/1510
と響いた。目くるめいて魂遠くなるほどに、大魔の形体《ぎょうたい》、片隅の暗がりへ吸込 :1383/1510
それでは外に願いのある、私の願《がん》の邪魔になります。仮令《よし》それとても、棄身 :1416/1510
たおやめ》は、掌《たなそこ》の白きが中に、魔界は然りや、紅梅の大いなる莟と掻撫でなが :1468/1510
ますぞや。愛惜《あいじゃく》の一念のみは、魔界の塵にも曇りはせねば、我が袖、鏡と御覧 :1492/1510
、白粉の花越しに、すらすらと漕いで通る。大魔の袖や帆となりけん、美女《たおやめ》は船 :1504/1510


『眉かくしの霊』 泉鏡花を読む

訊くから、然う云ふのが、慌てる銃猟家だの、魔のさした猟師に、峰越の笹原から狙撃に二つ :74/330
言ひ……昔から、夜待、あけ方の鳥あみには、魔がさして、怪しい事があると言ふが、まつた :74/330
して、怪しい事があると言ふが、まつたく其は魔がさしたんだ。だつて、覿面に綺麗な鬼に成 :74/330
、串にさして焼いて持ちます、その握飯には、魔が寄ると、申します。がり/\橋と言ふ、其 :322/330
に伝ふと見て、パツと臥打に狙をつけた。俺は魔を退治たのだ、村方のために、と言つて、い :322/330


『日本橋』 青空文庫

んだ。行軍将棊でもな、間者は豪いぜ、伴内阿魔。」                   :85/2195
が飛ぶ上野行。――文明の利器もこう使うと、魔術よりも重宝である。           :138/2195
                  巡査は魔を射る赤い光を、葛木の胸にぴたり。    :556/2195
のめす気か足を挙げた赤熊は、四辺に人は、邪魔は、と見る目に、御堂の灯に送らるるように :1047/2195
  人通りは全然無し、大川端の吹雪の中を通魔のように駆けて通る郵便配達が、たった一人 :1235/2195
も、私、まけるわ、サの字だから。鬼にでも、魔にでも、蛇体にでも、何にでもなって見せて :1509/2195
             その虚に憑入る、魔はこんな時に魅す、とある。        :1745/2195
                   「悪魔だ、鬼だ、狂人だ、虎だ、狼だ。……為にな :1790/2195
お孝が見たでな。天道時節ここだ思うて、(阿魔覚悟があるぞ!)睨んだですだ。ばたばたと :1838/2195
   「お願いですだ、拝むですだい。……邪魔だらば、縁の下へ突込まりょうで。柱へうし :1931/2195
     洪と鳴って新しい火の手が上ると、魔が知らすような激しい人声。わッと喚いてこ :2060/2195


『婦系図』 青空文庫

             「そんなに、お邪魔なら退《ど》けますよ。」         :129/3954
魚屋と茶碗を合わせた、その挙動《ふるまい》魔のごときが、立処《たちどころ》に影を潜め :436/3954
                  「お邪魔をしてね。」               :444/3954
《わがまま》も言ったり、甘えたり、勉強の邪魔もしたり、悪口も言ったり、喧嘩《けんか》 :493/3954
        「お客様があったのね。お邪魔をしたのじゃありませんか。」       :511/3954
と婉曲に言いは言ったが、露骨に遣ったら、邪魔をする勿《なかれ》であるから、御懸念無用 :926/3954
て、書生が燈下に読書するのを見て、またお邪魔に、と頭から遠慮をして、さて、先生は、と :936/3954
     (宵から寐《ね》るような内へ、邪魔をするは気の毒だ。他《わき》へ行こう、一 :1169/3954
  無礼千万な、まだその上に、妙の縁談の邪魔をするというは何事だ。」         :1361/3954
                   「邪魔を……私《わ》、私が、邪魔なんぞいたしま :1364/3954
      「邪魔を……私《わ》、私が、邪魔なんぞいたしますものでございますか。」  :1364/3954
                   「邪魔をしない! 邪魔をせんものが、縁談の事に :1365/3954
           「邪魔をしない! 邪魔をせんものが、縁談の事に付いて、坂田が己 :1365/3954
、売婦《ばいた》なんぞ引摺込む罰が当って、魔が魅《さ》したんだ。           :1396/3954
に、朝の九時十時頃も、一時《ひとしきり》は魔の所有《もの》に寂寞《ひっそり》する、草 :2295/3954
らぬ者は神の児となるし、取って繋ぐものは悪魔の眷属《けんぞく》となり、畜生の浅猿《あ :2727/3954
                  「お邪魔をいたしましてございます。」とちょいと早 :3265/3954
《すがりつ》いていて離れるな。己のような邪魔者の入らないように用心しろ。きっと離れる :3633/3954
思う己の目には、お前の影は彼奴《あいつ》に魔が魅《さ》しているように見えたんだ。お前 :3635/3954
魅《さ》しているように見えたんだ。お前を悪魔だと思った、己は敵《かたき》だ。間《なか :3635/3954
蝕は日の煩いとて、その影には毒あり、光には魔あり、熱には病《やまい》ありと言伝える。 :3775/3954
蝕あり、変あり、兵あり、乱《みだれ》ある、魔に囲まれた今日の、日の城の黒雲を穿《うが :3790/3954


『龍潭譚』 青空文庫

                   あふ魔が時                   :48/186
母様《おふくろさま》なりの魂が入るもんだで魔《エテ》めはどうすることもしえないでごす :70/186
が血走つてゐて、すきがあると駈け出すぢや。魔《エテ》どのがそれしよびくでの。」    :158/186


『春昼』 泉鏡花を読む

          「然うかい、いや、お邪魔をしたね、」               :20/628
            「どうしまして、邪魔も何もござりましねえ。はい、お前様、何か :22/628
ぢやあ、然うして上げなさい。しかし心ない邪魔をしたね。」               :42/628
               「はあ、お邪魔さまな。」                :73/628
              「それではお邪魔を、一寸、拝借。」            :115/628
を見たと言ふのを聞いた時の心地と、回々教の魔神になぐさまれた夢を見たと言ふのを聞いた :419/628
れば、浅黄の帯に緋の扱帯が、牛頭馬頭で、逢魔時の浪打際へ引立ててでも行くやうに思はれ :438/628


『春昼後刻』 泉鏡花を読む

づ口の裏で云つて見て、小首を傾けた。杖が邪魔なので腕の処へ揺り上げて、引包んだ其の袖 :11/444
の草へ腰をかけたつもりの処、負けまい気の、魔ものの顔を見詰めて居たので、横ざまに落し :127/444


『天守物語』 泉鏡花を読む

の風説《ふうせつ》、鬼神《おにがみ》より、魔よりも、此処を恐《おそろ》しと存じて居る :410/480
上げた其の獅子頭だ。以来、奇異妖変さながら魔所のやうに沙汰する天守、まさかとは思うた :425/480
       九平 可恐《おそろしい》しい魔ものだ。うか/\して、こんな処《ところ》 :436/480


『歌行燈』 従吾所好

。)などと、膝栗毛の書抜きを遣らつしやるで魔が魅〈さ〉すのぢや。屋台は古いわ、造りも :188/744
           「は、如何にも師匠が魔でなくては、其の立方は習はれぬわ。むゝ、 :625/744
……其のお娘、私も同一〈おんなじ〉ぢや。天魔でなくて、若い女が、術〈わざ〉をするはと :629/744


『夜行巡査』 青空文庫

浮き世ってな、よくしたものさ。おれという邪魔者がおって、小気味よく断わった。あいつも :83/164
うほど、いっそ剛胆になるようで、何かしら邪魔がはいれば、なおさら恋しゅうなるものでな :96/164
ないのだ。おまえが憎い女ならおれもなに、邪魔をしやあしねえが、かわいいから、ああした :104/164
ことを、むしろ殺さんことを欲しつつありし悪魔を救わんとて、氷点の冷、水凍る夜半《よわ :164/164


『薬草取』 青空文庫

《みい》、私の名ですね、光坊《みいぼう》が魔に捕《と》られたのだと言いました。よくこ :112/283
っていた。そして迷子《まいご》になったか、魔に捉《と》られたか、知れもしないのに、稚 :148/283
》くなって、五年経ってから亡くなりました。魔隠《まかくし》に逢った小児《こども》が帰 :259/283


『夜叉ヶ池』 青空文庫

える。狸か、違う、獺《かわうそ》か、違う、魔か、天狗《てんぐ》か、違う、違う。……し :129/564
一条《ひとくだり》の物語になった訳だ。――魔法つかいは山を取って海に移す、人間を樹に :172/564
凄《すご》いまで美しいが、……何か、細君は魔法つかいか。               :175/564
、この里――この琴弾谷が、一個《ひとつ》の魔法つかいだと云うんだよ。――       :178/564


『湯島の境内』 青空文庫

傍《そば》はよし、ここを離れて途中でまた、魔がさすと不可《いけ》ません。急いで電車で :84/205


 140 件確認
 佐藤和雄(蟻) 2000.9.29