検索結果詳細
『人魚の祠』
青空文庫
婦《をんな》は沼の洲へ泳ぎ着いて、卯の花の茂《しげり》にかくれました。
が、其の姿が、
水
に流れて、柳を翠の姿見にして、ぽつと映つたやうに、人の影らしいものが、
水
の向うに、岸の其の柳の根に薄墨色に立つて居る……或は又……此処の土袋《どぶつ》と同一《おなじ》やうな男が、其処へも出て来て、白身《はくしん》の婦人《をんな》を見て居るのかも知れません。
100/122
101/122
102/122
[Index]