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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 ああ、お話が八岐《やちまた》に成って、手毬は……そうです、天井から猫が落ちます以前、私が縁側へ一人で坐っています処へ、あの白粉の花の蔭から、芋〓《ずいき》の葉をに当てた小児《こども》が三人、ちょろちょろと出て来て、不思議そうに私を見ながら、犬ころがなつくように傍へ寄ると、縁側から覗込んで、手毬を見つけて、三人でうなずき合って、

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