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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と、僧も夜具包の上から伸上って顔を出した。
  宰八顱巻《あかはちまき》をかなぐって、
 「こりゃ、はい、御坊様御免なせえまし。御本家からも宜しくでござりやす。いずれ喜十郎様お目に懸りますだが、まず緩りと休まっしゃりましとよ。

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