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 『日本橋』 青空文庫

「恐入りましてござります、はい。」
「音がしましたわ、串戯ではありません。さぞお痛かったでしょうねえ。怪我をしたんじゃありませんか。」
 前刻から響いていた、鉄棒の音が、ふッと留むと、さっさっと沈めた鞋の響き。……夜廻りの威勢の可いのが、肩を並べてずっと寄った。

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