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『婦系図』
青空文庫
とそわそわする。
「
水
道橋まで歩行くが可い。ああ、酔醒《えいざ》めだ。」と、衣紋を揺《ゆす》って、ぐっと袖口へ突込んだ、引緊《ひきし》めた腕組になったと思うと、林檎の綺麗な、芭蕉実《バナナ》の芬《ふん》と薫る、燈《あかり》の真蒼《まっさお》な、明《あかる》い
水
菓子屋の角を曲って、猶予《ためら》わず衝《つ》と横町の暗がりへ入った。
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