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『日本橋』
青空文庫
「いいえ、私はただ通りかかったばかりなんです。でもまあ遁げてくれて可かったけれど、抵って来たらどうしようかと思ったよ。……可哀相に、綺麗な植木の花が。」
清葉は桜草の泥鉢を、一鉢起して持ちながら、
「手伝って、そして、よく見て上げて下さいな。遅うござんすから、私は失礼ですが。」
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