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『日本橋』
青空文庫
「では、お爺さん、お大事になさいまし。お気をつけなさいましよ。」
「はいはい、あなた方の御志、孫も幸福。それが嬉しゅう
ござ
ります。」
とッちて、着きも無いことを云うのを、しんみりと聞いて、清葉はなぜか、ほろりとしたが、一石橋の方へ身を開いて向返った処で、衣紋をつくって、ちょっと、手招く。
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