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 『日本橋』 青空文庫

 とッちて、着きも無いことを云うのを、しんみりと聞いて、清葉はなぜか、ほろりとしたが、一石橋の方へ身を開いて向返った処で、衣紋をつくって、ちょっと、手招く。
 鉄棒小脇に掻込みたるが一人、心得てつかつかと寄った。
「ええ……え、腕車に、成程。ええ可うがす、可うがすとも。そりゃ仔細有りゃしません。何、私たちに。串戯じゃありません。姉さん、串……、そうですかい、済まねえな。」

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