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『外科室』
青空文庫
ときに高峰の風采《ふうさい》は一種神聖にして犯すべからざる異様のものにてありしなり。
「どうぞ」と一言答《いら》えたる、夫人が蒼白なる両の頬に刷けるがごとき
紅
を潮しつ。じっと高峰を見詰めたるまま、胸に臨めるナイフにも眼を塞がんとはなさざりき。
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