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 『五大力』 従吾所好

 其の日、霞は美しく髪を上げて、白に裾模様を襲ねて居た。介添して恁う出で立たせた、主人も床しく、其の人は尚ほあはれであつた。
 桟敷の歩行〈わたり〉を、優しく霞の手を取つて、導いたのはお縫である。
「さ、何うぞ、御師匠さん。」

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