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 『日本橋』 青空文庫

 と猶予いながら、笹ッ葉の竹棹を、素直に支いた下に、鬢のほつれに手を当てて、おくれを掻いた若い妓の姿は、願の糸を掛けた状に、七夕らしく美しい。
「お前様方でのうて、忠臣蔵がどこに有るかな。」と飴屋は頷くように頤杖を支いて言う。
「一所においでよ、皆。」

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