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『五大力』
従吾所好
「冬木の弁天様を念じて上げませうよ、お可哀相に。」と俯向いて、お縫が袖を合はせた時よ。
楽屋を抜けた一廻り、揚幕から立直つて、鷺がト舷へ留つた体に、上下着けた釣船矢右衛門。偉大なる
白
き胡蘆〈ふくべ〉を、横ざまに着けたる体に、いざうれ、あり合はせた造り船を、袴腰に挟〈さしはさ〉んで、する/\刻足に衝と舞台へ出ると、ハタと据ゑて、えい、と乗り、座を構へ、
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