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 『人魚の祠』 青空文庫

 赤坂の見附《みつけ》に近い、唯《と》ある珈琲店の端近《はしぢか》な卓子《テエブル》で、工学士は麦酒《ビイル》の硝子杯《コツプ》を控へて云つた。
 私は巻莨《まきたばこ》を点けながら、
「あゝ、結構。私は、それが石地蔵で、今のが姑護鳥《うぶめ》でも構《かま》ひません。けれども、それぢや、貴方が世間へ済まないでせう。」

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