検索結果詳細
『五大力』
従吾所好
「やゝ、又、立所に雲の絶間を、はあ、冴えたる月かな。それ/\俤が波に映るわ、御覧ぜい。山田矢瀬〈やばせ〉の渡し船の、夜は通ふ人なくとも、月のさそはば自から、船もこがれて出づらん――」
と背後からおはれかゝる体に、扇子を上げて、熟と舞台を差窺ふ。
霞も連れて凝視めたのである。
1101/1139
1102/1139
1103/1139
[Index]