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 『化鳥』 青空文庫

で、はじめの内《うち》は何うしても人が鳥や、獣《けだもの》とは思はれないで、優《やさ》しくされれば嬉しかつた、叱《しか》られると恐かつた、泣いてると可哀想《かあいさう》だつた、そしていろんなことを思つた。其たびにさういつて様《おつかさん》にきいて見るト何、皆鳥が囀《さへづ》つてるんだの、犬が吠《ほ》えるんだの、あの、猿が歯を剥《む》くんだの、木が身ぶるいをするんだのとちつとも違つたことはないツて、さうおつしやるけれど、矢張《やつぱり》さうばかりは思はれないで、いぢめられて泣いたり、撫でられて嬉しかつたりしい/\したのを、其都度《そのつど》様《おつかさん》に教へられて、今じやあモウ何とも思つて居ない。

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