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 『五大力』 従吾所好

「おゝ、舞台に映つた、私の素面が美しいか。むゝ美しいな。やあ、お女中。其の目を閉ぢるな、瞳を散らすな、一念確に鏡を見て見よ、少しも両眼に異状ない、それ/\。」
 と声に力が篭つて、宝生雲の舞扇を、すらりと開いて、差寄すれば、金色の雲にきらりと映る、花の霞の暮れ行くが、瞼に颯と色を染めた。
「まあ……」

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