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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

学円 代価じゃ。
百合 あの、お代、何の?……お宝……ま、滅相《めっそう》な。お茶代なぞ頂くのではないのでござんす。
学円 茶も茶じゃが、いやあこれは、髯《ひげ》のようにもじゃもじゃ[#「もじゃもじゃ」に傍点]と聞えておかしい。茶も勿論、梨を十分に頂いた。お商売でのうても無代価では心苦しい。ずばりと余計なら黙っても差置きますが、旅空なり、御覧の通りの風体《ふうてい》。ちゃんと云うて取って下さい。

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