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『人魚の祠』
青空文庫
と腹をだぶ/\、身悶えをしつゝ、後退《あとじさ》りに成つた。唯《と》、どしん、と尻餅をついた。が、其の頭へ、棕櫚の毛をずぼりと被《かぶ》る、と梟が化けたやうな形に成つて、其のまゝ、べた/\と草を這つて、縁の下へ這込んだ。――
蝙蝠傘《かうもりがさ》を杖にして、私がひよろ/\として立去る時、沼は暗う
ござ
いました。そして生ぬるい雨が降出した……
(奥さんや、奥さんや。)
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