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 『龍潭譚』 青空文庫

 やがて添臥したまひし、さきに水を浴びたまひし故にや、わが膚をりをり慄然たりしが何の心もなうひしと取縋りまゐらせぬ。あとをあとをといふに、をさな物語二ツ三ツ聞かせ給ひつ。やがて、
 「一ツ谺《こだま》、坊や、二ツ谺《こだま》といへるかい。」
 「二ツ谺《こだま》。」

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