検索結果詳細
『薬草取』 青空文庫
今でこそ、立派な医者もあり、病院も出来たけれど、どうして城下が二里四方に開《ひら》けていたって、北国《ほくこく》の山の中、医者らしい医者もない。まあまあその頃、土地第一という先生まで匙《さじ》を投げてしまいました。打明けて、父が私たちに聞かせるわけのものじゃない。母様《おっかさん》は病気《きいきい》が悪いから、大人《おとな》しくしろよ、くらいにしてあったんですが、何となく、人の出入《ではいり》、家《うち》の者の起居挙動《たちいふるまい》、大病というのは知れる。
115/283
116/283
117/283
[Index]