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『婦系図』 青空文庫
で路が変って、先生のするまま、鷲《わし》に攫《さら》われたような思いで乗ったのが、この両国行――
なかなか道学者の風説《うわさ》に就いて、善悪ともに、自から思虜を回《めぐ》らすような余裕とては無いのである。
電車が万世橋《めがね》の交叉点を素直《まっす》ぐに貫いても、鷲は翼を納めぬので、さてはこのまま隅田川《おおかわ》へ流罪《ながし》ものか、軽くて本所から東京の外へ追放になろうも知れぬ。
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