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『婦系図』
青空文庫
我が酒井と主税の姿は、この広小路の二点となって、浅草橋を渡果てると、富貴竈《ふうきかまど》が巨人のごとく、仁丹が城のごとく、相対して角を仕切った、横町へ、斜めに入って、磨硝子《すりがらす》の軒の燈籠の、媚かしく寂寞《ひっそり》して、ちらちらと雪の降るような数ある中を、蓑《みの》を着た状《さま》して、忍びやかに行くのであった。
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