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 『親子そば三人客』 従吾所好

 可哀相に私のやうな悪党せえ、涙が出るやうな可愛らしいものを、慰まうといふ善人が世の中にや沢山ありまさ、そいつらにも些と気を配つて、庇つて遣つておくんねえ。
 はて、何処へ、持つてく土産だらう、」とを飲んだより一層醒めた、酒の名も知らぬらしい、苦み走つて引しまつた、頬のあたりに微笑を含んで、其の半襟を帯のあたりへ突込む、と思ふと、鉄三郎は颯と退いた。

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