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 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫

 串戯《じょうだん》にしてもと、私は吃驚《びっくり》して、言《ことば》も出ぬのに、女はすぐに幅狭な帯を解いた。膝へ手繰ると、袖を両方へ引落して、雪を分けるように、するりと脱ぐ。……膚は蔽うたよりふっくりと肉を置いて、背筋をすんなりと、撫肩して、い脇を乳が覗いた。それでも、脱ぎかけた浴衣《ゆかた》をなお膝に半ば挟んだのを、おっ、と這うと、あれ、と言う間に、亭主がずるずると引いて取った。

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