検索結果詳細


 『薬草取』 青空文庫

 私がちょこちょこ近処《きんじょ》だから駈出《かけだ》しては、薬取《くすりとり》に行《ゆ》くのでしたが、また薬局というのが、その先生の甥《おい》とかいう、ぺろりと長い顔の、額《ひたい》から紅《べに》が流れたかと思う鼻の尖《さき》のい男、薬箪笥《くすりだんす》の小抽斗《こひきだし》を抜いては、机の上に紙を並べて、調合をするですが、先ずその匙加減《さじかげん》が如何《いか》にも怪《あや》しい。

 117/283 118/283 119/283


  [Index]