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『薬草取』
青空文庫
私がちょこちょこ近処《きんじょ》だから駈出《かけだ》しては、薬取《くすりとり》に行《ゆ》くのでしたが、また薬局というのが、その先生の甥《おい》とかいう、ぺろりと長い顔の、額《ひたい》から紅《べに》が流れたかと思う鼻の尖《さき》の
赤
い男、薬箪笥《くすりだんす》の小抽斗《こひきだし》を抜いては、机の上に紙を並べて、調合をするですが、先ずその匙加減《さじかげん》が如何《いか》にも怪《あや》しい。
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