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『国貞えがく』
青空文庫
と前垂を横に刎ねて、肱を突張り、ぴたりと膝に手を支いて向直る。
「何、串戯《じょうだん》なものか。」と言う時、織次は巻莨を火鉢にさして俯向いて莞爾《にっこり》した。面色《おももち》は凛としながら優しかった。
「粗末なお茶でございます、直ぐに、あの、入かえますけれど、お一《ひと》ツ。」
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